図書館について(写真さしかえたよ!)
人類カレンダー2018年、秋。
宇宙の片隅で、ひっそりオープンした「森羅万象に優しい図書館」。
この文章は本図書館の取扱説明書です。
<この図書館の仕組み>
この図書館の所蔵作品は、すべて旅をする本です。
この図書館は、地上に生きるすべての存在に向けて開かれています。
(もちろん、地球在住の宇宙人の方にも利用していただけます)
本を借りる為の資格や利用料などは一切ありません。
地球上のどこへでも、あなたのいる座標まで本は旅します。
<この図書館の作用>
◎「森羅万象に優しい図書館」では、
たった一冊しかない本を、みんなで愛する。
◎ある人の人生のひとときに滞在した本が、また誰かの人生の中へと旅をする。
◎旅する本には、誰かの時間、誰かの景色、誰かの思いが、地層のように、年輪のように、積み重なって増えていく。
◎「商品」としての価値とは別の文脈にある、「物としての大切さ」を増やし、味わい、分かち合っていく。
◎一冊の本を依り代に、人と人とが心を通わせる。
<この図書館での作法>
◎本に向かって、自己紹介をする。
◎同じ時間に生きているね、と誰かにハローを届ける。
◎本を受け取った手の先にいる人たちが、すこやかであるように祈る。
◎この図書館のような仕組みが、いろいろ形で、地上に行き渡っていることを思い出す。
<この図書館のほそく>
◎「森羅万象に優しい図書館」は、新しい試みではありません。
◎人類に内臓された「愛の仕組み」を思い出すための装置にすぎません。
◎だから、あってもなくてもどちらでも良い。
◎そういうものです。
<所蔵作品>
現在、3つの作品があります。
詩集「ことばの焚き火」
著者:金子恭子
眼差しと、ことばが、焚き火のように心に温度と明るさをもたらす。
その火に手をかざした時に初めて、
指先の皮膚が硬く、むずかしく、こわばっていたことに気づかされる。
まるで、ともし火のような一冊。
(ラジオ番組「森羅万象に優しいタイムマシーン制作室・イン・radio」でも、この詩集から一編を朗読させていただきました。)
短編小説「もつれあう廃墟」
作者:2月5日、ゆみ
遠くに去ったはずのあの人の言葉が、いまなお強く心で作用し、光を放ち続けている。
心の立体模型を文章で立ち上げた、2月5日ゆみの処女小説。
(以下、ご感想から抜粋)
「読むほどに、ゆみさんの世界の中に入り込んでしまうと思いました。まるで偏光ガラスを覗き込んだみたいな、キラキラした小説でした。」
「消失点の位置が変わり続ける立体図を読んでいるみたいでした。遠近法の溶け合う瞬間がすごく面白かった。」
「泣きながら一気に読んでしまいました。そして何度も読み返してしまった。感想がうまく言えません。だけど、これを書いてくれて、届けてくれて本当にありがとう。」
本作は、2018年に行われた第55回文藝賞の一次選考を通過した作品です。
応募の経緯など、小説についての詳細はラジオでお話しています。
絵本「イスとイヌの見分け方」
著者:きたやまようこ
「やさしさ」って何だろう。
むずかしくて、よくわからない。
そんな時にはこの本が、きっと役に立つでしょう。
相手を理解すること。
ふさわしい態度とふるまいで、接すること。
イスなのか。イヌなのか。
まずはそこを見極めるのが肝心です。
<この図書館で本を借りる>
◎ここまでお読みいただき、「森羅万象に優しい図書館」で本を借りたい、と思われた奇特なあなた。
◎TOPページのmenu>”図書館へ行く”か、
東京の吉祥寺という場所にあるタイムマシーン制作室を直接訪ねてください。
◎タイムマシーン制作室はこちら。
「BLACKWELL COFFEE」
◎ちなみに、タイムマシーン制作室の外観はお洒落なカフェですし、コーヒーを頼んでいただくことによって、カフェとして楽しんでいただくこともできます。だいたい月曜はお休みですので、インターネットなどで確認してみてください。
◎お目当ての本が貸し出し中の場合、本が帰還しましたら、ご連絡差し上げます。
◎お知らせを待つ時間もどうぞお楽しみください。
◎タイムマシーン制作室と連絡を取り合っている、なんて事は絶対に秘密ですよ。